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3次元希薄気体解析ソフトウェア

DSMC-Neutrals はモンテカルロ直接法 ( DSMC- Direct Simulation Monte Carlo ) を用いた3次元希薄気体解析ソフトウェアです。 非構造メッシュを用いることにより、複雑な形状のシミュレーションが可能です。 また、化学反応の計算も可能であり、真空チャンバー内の希薄なガス流れはもちろんのこと、化学蒸着 ( CVD - Chemical Vapor Deposition )などの半導体製造における薄膜生成のシミュレーションにも適しています。

コンタミネーションに影響するダスト挙動

コンタミネーションに影響するダストを熱泳動を用いて制御する手法がある。ここでは、マイクロサイズの微粒子であるダストに働く熱泳動力のシミュレーションを紹介する。 DSMC-Neutralsを用いて直径1μmの微粒子の熱泳動力を求める。通常は、微粒子の直径が大きいために時間刻みが小さくなり非現実的な計算時間となる。 そこで、雰囲気ガスと微粒子の衝突計算の際の微粒子が受ける運動量移送に重みを考慮した。運動量移送の重みを考慮することで、 大きい時間刻みの計算が可能になり、現実的な計算時間で微粒子の挙動をシミュレーションすることができる。 以下に熱泳動の計算事例を通して正しく衝突計算がされていることを示す。ここで、時間刻みは通常のDSMCの衝突計算の100万倍程度である。

マイクロサイズの微粒子の挙動計算ができるために、DSMC-Neutralsではチャンバー内のダストによるコンタミネーションの計算が可能である。 以下の事例では、DSMC-Neutralsによって熱泳動によるコンタミネーションの抑止のシミュレーションが可能であることを示している。

図1に熱泳動の計算モデルを示す。図の左側から微粒子を発生させて熱泳動によって右側の壁に到達する。微粒子の速度変化から熱泳動力を計算する。 ここで、この計算モデルは微粒子が受けるドラック力(空気抵抗力)は無視している。

Fig.1    熱泳動計算モデル

熱泳動計算モデル

図2は圧力依存の熱泳動力のグラフである。実線はGallis等の解析解であり、四角と三角はDSMC-Neutralsの計算結果である。DSMC-Neutralsのシミュレーション結果は解析解を良く再現していることが分かる。

Fig.2    圧力依存の熱泳動力

圧力依存の熱泳動力

温度差がある領域では、熱泳動力と抵抗力の釣り合いからの微粒子は一定速度となる。 この速度を熱泳動速度と呼ばれ、Waldmannの熱泳動速度によって見積もることが可能である。 DSMC-Neutralsの微粒子モデルはWaldmannの熱泳動速度を再現したモデルである。 図3にDSMC-Neutralsで計算した熱泳動速度のグラフを示す。

Fig.3    吸気による微粒子の運動

Waldmannの熱泳速度

次に実験と比較したポリスチレン微粒子の挙動の計算結果を示す。 8.5 m/sで射出したポリスチレン微粒子が抵抗力を受けながら基板に到達する計算結果を図4に示す。 実験では10K/cmの温度勾配をつけることで、微粒子が基板(図上側)への到達を妨げることが報告されている。 計算結果の図4より、DSMC-Neutralsの計算結果も実験と同様に温度分布がある図4(b)では多くの微粒子が押し戻されている結果を得た。

Fig.4    吸気による微粒子の運動

ポリスチレン微粒子の速度分布

最後に、吸気によるダストが舞い上がるシミュレーションを示す。 チャンバーサイズは、1x1x1 m である。流入量280 slm のArガスを直径 5 mm のノズルから流入することによって、直径 1 μm のダストが舞い上がるシミュレーション結果を図5に示す。 図5の左図のコンターとベクトルはそれぞれ、Arガスの圧力と速度ベクトルを示す。右図は、ダストの密度分布を示す。 図5の右側から流入したガスによって、急激にガスが流入するためにダストが舞い上がり、さらに舞い上がったダストが流入ガスによって図の右側に叩きつけられている様子が分かる。 ダストの挙動を計算することで、コンタミネーションへの影響を調べることが可能である。

Fig.5    吸気による微粒子の運動

吸気による微粒子の運動

参考文献

Takao Wada, Journal of Fluid Science and Technology, vol.11, No.3, 00221 (2016)

Takao Wada, J. Appl. Phys. vol.116, 44502 (2014)

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