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課題

品質改善

品質改善課題では、製品の品質と、その製品がどのくらい良く設計に準拠・適合しているかの関係性を調べます。 製造する製品の、どの設計値がどの品質にどう影響を与えているかが容易には特定できない場合など、高性能のツールや手法が必要となります。

ここでは、機械学習およびNeural Designerが、その予測性能を通して製品の品質改善にどのように役立つかを説明します。

データセット

データセットには製品の計測値が入っており、

  • 設計変数
  • 品質変数
で構成されています。

設計変数

設計変数は製品の品質を規定する入力値です。 例としては、

  • 製品内容物の割合
  • 製品の物理的・化学的な計測値
などがあります。

品質変数

品質変数は製品の出力値で、設計変数に依存します。 品質の最適化においては

  • 製品の特性
  • 人の選好
の2つをターゲットとして検討可能です。通常、品質変数は1つですが、複数にすることも可能です。

モデル

製品品質のモデルとは、全ての設計変数を元に製品の品質を適切に予測するための数学的表現です。 より具体的には、品質変数:zを設計変数:xと関係づけるものです。

z=f(x).

ニューラルネットワークは、データセットを元に多次元の非線形関数を近似するために用いられるアルゴリズムです。 設計変数がニューラルネットワークの入力となります。出力は予測される製品の品質です。

最適化

最適化アルゴリズムの目的は、数理モデルを用いて最適な設計変数を探索することです。 予測モデルによって、考え得る様々な製品のシミュレーションや品質改善のための設計変数の調整が可能となります。

製品の入力値・出力値に制限が設けられる場合もあります。 "セメントの量を望ましい値に保ちながらのコンクリートの圧縮強度の最大化"といった問題はその一例です。

具体的には、品質改善最適化とは

品質変数を最大化する

設計変数を決定すること

だと言えます。

以下の図は、最適化プロセスを図示しています。 見ての通り、設計変数の値(x1*, x2*)が、全ての制限を満たしながら品質変数の値を最適化します。

まとめ

機械学習は、設計に基づいた製品の品質予測に役立ちます。 それにより、さまざまな製品をシミュレートし設計を調整して、品質を改善することが可能になります。

Neural Designerはニューラルネットワークを用いて製品の品質をモデル化します。 また、設計変数を微調整し品質を最適化するための応答最適化アルゴリズムも含みます。 Neural Designerによる品質改善の例としては、物理化学的特性に基づくワインの好みのモデル化や高性能コンクリートの圧縮強度のモデル化があります。