今回は数値流体解析(CFD)の研究が盛んな、国立大学法人九州工業大学様にご協力いただきました。
九州工業大学様は明治40年(1907)に設立された私立明治専門学校を起源とし、1949年に設置された国立大学です。国立大学の中では唯一の情報工学部を持ち、最近では小惑星イトカワに到達した小惑星探査機はやぶさ(MUSES-C)の試験を行ったことでも有名な、九州最大の工業地帯である北九州工業地帯に位置する国立工業大学です。
昨年の秋、九州工業大学の田中和博名誉教授からお問い合わせを頂きました。 その後、許・清水研究室の清水先生や学生さん達に評価トライアルをして頂き、 今までお使いだった他のCFDソフトと比較した場合の優位性を認めて頂いて導入頂きました。
そんな九州工業大学の許・清水研究室の清水先生、修士課程一年の広瀬さん、渡部さん(2019年4月時点)にお話を伺いました。
(広瀬さん・渡部さん)
バルブの並進運動やギヤポンプの回転運動など、移動物体を含む流れの動特性解析を行いたかったためです。
(広瀬さん)
学部4年生の時に先輩が他社の有名なCFDソフトを使っていましたが、移動物体を含む流れの解析に非常に苦労していたのを目の当たりにしていました。 自分も困難な道を辿る覚悟をしてM1になり、解析を行おうとした際に、新規で導入したSimerics MP+を使って解析をしたところ、 革命的に簡単に解析を行うことができました。
物体を動かす点において、解析に持ち込むまでの手法を覚えるまで
は少し時間がかかりますが、慣れて覚えると非常に簡単に解析する事が出来て、 解析が難しいとされている移動物体の解析が革命的に簡単に出来てしまう事に大変驚きました。
一例ですが、バルブのメッシュを切る時間が、今まで使用していたCFDソフトの1/3になりました。 メッシュを切る時間が早くなった事により、時間制限によっての解析の内容の妥協をすることが無くなり、 本当に知りたい解析内容を突き詰めることが出来るようになりました。
(渡部さん)
Simerics MP+のHPにポンプやバルブに強いと書かれていて、その強いという自信に興味を持ったので評価トライアルをしてみました。 試しに使ってみると、テンプレートモジュールが事細かに設定されていたので、 設定しなければいけない最低限の条件を入れるだけで、すぐに解析を回せることが気に入っています。
また、最低限の条件を入れてすぐ手軽に解析をできるだけではなく、さらにそこから深く掘り下げていく詳細な設定項目もあるので、 簡単に解析も回せるし、気になるところはさらに細かく解析出来るところが気に入ったため導入を決めました。
Simerics MP+の気に入っている機能の一例で、ギヤポンプのサイドクリアランスを設定する場合、 今まではいちいちCADに戻って設定をし直していたのですが、 Simerics MP+上で簡単にサイドクリアランスの設定が出来るので、大幅な時間削減に貢献します。