今回はアイシン精機株式会社様にご協力頂きました。
1965年、自動車部品メーカーの愛知工業と新川工業が合併して、アイシン精機様が誕生しました。 2017年3月31日現在、従業員数が連結 110,357人/単独 13,591人、 連結対象会社数が連結子会社206社(国内80社、海外126社)、 持分法適用関連会社11社(国内4社、海外7社)という日本有数の大企業です。
そんなアイシン精機様のCAE技術部のお二人にお話を伺いました。
空間変形に追従させるためのメッシュ作成は一般的には他ツールであれば、 専任者のみ扱えるようなスクリプト機能等を用いて独自にカスタマイズしなければならず、 一筋縄ではいかない工程でしたが、Simerics MP+では、テンプレートメッシュ機能を用いて自動でメッシュが作成できます。 これにより、解析準備でのモデル作成に多くの工数を割かれずに済みますし、 手順を標準化して、設計者へ展開することも容易にできました。 これにより、設計プロセスへの組み込みが容易となり、設計者自らがSimerics MP+を活用して設計検討、 図面反映するしくみが構築できた点がよかったと考えています。 計算精度については、メッシュの作成方法に多少依存しますが、 例えば仕様を変えた際の油圧脈動の傾向予測には十分使えるレベルにあると考えています。
今後、最適化計算のしくみを構築していくことを考えていますが、 複数ケースの計算を流すとなると計算時間がかかることで納期を圧迫してしまうことが想定されます。 大規模並列計算に対応させるなどで、更なる計算の高速化に向けたツールの改良をして頂けると助かります ※1。
また、計算精度に関しては、形状によっては他ツールと比べると、 若干メッシュを細かくしないと圧力や流量の予測精度が担保できないようなことがあります。 また、局所的にメッシュを細分化したいような場合には、 その操作性が他ツールと比べると劣っているので、 更なる機能の改善を期待したいです※2。
※1 後日、Simerics MP+の開発元Simerics社にインタビュー内容を伝えましたところ、 “mpiを用いた分散メモリ型並列処理の機能を実装しており、 年度内に開発バージョンを提供できるよう、準備を進めている”との返答がありました!
※2 数式エディタに指定した空間領域のメッシュを局所的に細分化する機能が、 次のバージョンから使用できるようになります! これ以外にも、局所細分化の領域指定に関する操作性の向上や、 解適合格子機能の開発・実装など、引き続きSimerics MP+の機能強化に取り組んでまいります!