概要
Web版中長期スケジューラーは、Web上で稼動する星取表型のスケジューラーです。 設備資産の保全計画は、短期の計画だけではなく、向こう10年、20年、過去10年等の長いスパンで行う必要があります。
弊社がこれまで培った、CMMSやEAMの導入経験から、現場が欲しがるスケジューラーを開発しました。 Web版中長期スケジューラーは、単体で計画業務が実施できるだけでなく、CMMS連携機能を用いて、設備資産管理システム
との連携が可能です。
殆どの企業では、作業の実施有無管理に星取表形式のスケジュール管理を実施しています。 星取表形式のスケジュール管理は、Microsoft Projectに代表されるガントチャート方式のスケジュール管理とは、
利用目的が異なります。
ガントチャートでは、プロジェクト管理に主眼が置かれる為、クリティカルパスモデルの採用に代表される様な 厳密なスケジュール管理を実現しています。 これに対して、中長期スケジューラーは、設備や機器の保全作業や検査の実施有無とその費用に着眼しています。
設備や機器のライフサイクルを通して必要な保全計画やそのコストに着目します。

開発の動機
- 設備や機器毎に長期計画を参照したい。この時、保全費も参照したい。
- 設備や機器のライフサイクルを通して必要となる保全コストや計画を参照したい。
- 年度計画策定や予算確保時、実績や長期計画を考慮しながら予定を作成したい。
- 年度計画策定や予算確保時、費用概算の試算を行いたい。作成過程に於いては、他部署(例えば運転部門)との調整にも利用したい。
- 機器の重要度や周期の根拠は、CMMS/EAMに登録されている。計画は、これらを参照または整合性を取りながら作成したい。
- 予算の消化状況を把握したい。
- 顧客に対する保全サービス一覧と提供状況を知りたい。
- 物件ごとに保全項目を管理したい。
- 検査計画や取替計画を星取表形式で見たい。
- 以上を行い、計画保全の最適化を行いたい。
なぜ星取表型か
中長期スケジューラーは、予定や実績を星取表形式で表示します。
スケジュールの管理方式として Microsoft Project 等に代表されるガントチャート方式があります。
星取表型スケジューラーとガントチャート形式スケジューラーは、利用目的が異なります。
以下に主な利用目的を示します。
- ガントチャート式スケジューラー
プロジェクト管理が主目的であり、クリティカルパスモデルに基づく厳密なスケジュール管理が行えます。特徴を以下に列挙します。
- 厳密なプロジェクトの管理
予定、実績、達成率等のプロジェクト遂行に必要な情報の管理
- リソース管理(山積み、山崩し等)
- WBS管理
- プロジェクト予算管理
- 星取表型スケジューラー
計画保全の計画策定および実施状況確認を主目的としており、 特定期間内(年度、月度等)の作業実施有無とその予算またはコストを表示します。
以下に特徴を示します。
- 特定期間(年度、月度等)での計画、予定、実績を表示します。
右図の場合、2003年度の各月で実施する作業の予定と実績および各月の合計コストが表示されています。 計画は◎、予定は○、実績は●で示されています。
- 計画策定に主眼を置いています。
機器や設備の重要度、保全や検査の周期、実績等の計画策定に必要な情報を表示します。
中長期計画や年度計画策定時は、開始日や終了日の様な具体的なスケジュールは、 決まらない場合が殆どです。 むしろ、いつ頃実施するか もしくはしないか が直感的に判る機能が必要です。
- コスト表示を行います。
計画保全の場合、各保全項目のコストは、過去の実績より概算が判っている場合が殆どです。 また、機器の取替費用や必要な予備品コストも予め判っている場合が殆どです。
予防保全等の計画保全では、これらの作業やそのコストを予め作業テンプレートとして定義しておき、 これに周期を考え合わせることにより実施時期(計画)が自動的に決められます。
併せて、必要なコストも概算を算出できます。中長期スケジューラーは、これらを画面に表示するものです。 実際には、この自動展開された計画を元に、運転計画、保全実績、検査履歴等を考え合わせ計画を作成していくことになります。
- CMMS/EAMの対象画面を呼出します。
CMMS連携使用時は、中長期スケジューラー上に表示している情報を選択することにより CMMS/EAM上の関連する定義情報を表示します。
