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Particle-in-Cell法(PIC法)によるプラズマシミュレーション

Particle-PLUS は希薄気体中に発生する非平衡プラズマの数値解析に優れたPIC法のシミュレーションソフトウェアであり、 プラズマ、中性ガスの2つモジュールで構成されています。また、プラズマモジュールでは、磁場解析を行うことで マグネトロンプラズマや磁場によって曲がるイオンビームなどの計算も可能です。

これまでの適用事例としてはマグネトロンスパッタリング、PVD、プラズマCVD、プラズマエッチング、容量結合プラズマ ( CCP ) などがあります。 Particle-PLUS は並列計算が可能であり短時間で結果を得ることができます。 出力データとしては、プラズマ密度分布(電子密度、イオン密度)、電子温度分布、イオン温度分布、ポテンシャル分布(電位分布)、 エネルギーフラックス、粒子フラックス 、エネルギースペクトルなどがあります。

回転ターゲットのマグネトロンスパッタ(カットセル法)

Particle-PLUSでは、カットセルメッシュを用いた回転ターゲットのマグネトロンスパッタシミュレーションが可能です。 カットセル法を用いることで、形状を厳密に再現することができるために、回転ターゲットからスパッタされる粒子の挙動を正確に計算することが可能です。 特に回転ターゲットの場合は、スパッタ粒子が回転面に対して法線方向に射出されるために、直交メッシュではスパッタ粒子の挙動を正しく再現することができません。 カットセル法によるメッシュを用いることで、スパッタ粒子の射出方向を正しく計算することが可能となります。

Particle-PLUSのパッケージであるWF-Geom2Dを用いてカットセルのメッシュを作成することが可能です。 また、ポテンシャルの計算は直交メッシュを用いており、精度が良い電場計算が可能です。その際に、カットセルの境界上の電圧は回転ターゲットの電圧になるように計算されています。

Fig.1    カットセルメッシュ

回転ターゲットのメッシュを示しています。右図は回転ターゲットの境界面付近の拡大図です。

Fig.2    Ar+イオン密度分布とフラックス分布

Ar+イオン密度分布とフラックス分布を示しています。プラズマが磁場によってトラップされていることが確かめられます。

Fig.3    タンタルの密度分布との基板へのフラックス分布

タンタルの密度分布との基板へのフラックス分布を示しています。 カットセル法によるメッシュを用いているために、スパッタ粒子であるタンタルの挙動が正しく計算されています。 そのために、基板へのフラックスも定性的に実験とよい一致を示すことができます。

関連項目